自宅のデスクで足を床へ置き、オフィスチェアの座面奥行きを調整する様子

店で椅子へ腰かけると、最初の数分は柔らかさや背もたれの包まれ方が気になります。仕事の椅子として確かめたいのは、その先です。机へ近づいたとき、足、膝裏、肘の三つが同時に落ち着くでしょうか。

椅子を順位で選ぶ代わりに、明らかに合わない候補を採寸で外し、残った二、三脚を同じ手順で試します。高価な一脚を当てる話ではなく、自分に合う調整方法を探す話です。

足が床へ着いたら、膝裏にも指が入るか見ます

厚生労働省の情報機器作業ガイドラインは、安定して座れ、座面高を調整でき、必要に応じて背もたれや肘掛けを調整できる椅子を挙げています。ここから店で確かめる順番を作れます。

  1. 座面を下げ、足裏を床へ置く
  2. 深く座り、膝裏が座面の縁へ強く当たらないか見る
  3. 背もたれへ自然に寄り、腰の当たりを調整する
  4. 肩を上げずに肘を置き、机へ近づけるか試す

足が着いても、座面が長くて膝裏を押すなら、座面奥行きを短くできる椅子か、小さいサイズが候補です。肘掛けが天板へ当たって机へ近づけないなら、肘の高さや前後位置を動かせるかが効きます。

動かして合わせる椅子と、先にサイズを選ぶ椅子があります

オカムラ Sylphy C685XWは、一つの椅子の中で座面高や座面奥行き、背のカーブを調整する考え方です。取扱説明書では、座面高420〜520mm、座面奥行きの前後調整などを確認できます。購入する構成によって肘や張り材が変わるため、試す椅子と注文する型番を揃えます。

イトーキ Act2も、背、座、肘などの構成と調整を選ぶ方向です。ショールームで触るなら、展示品の肘や背が、検討中の構成と同じかを店員へ確かめると、座った印象と注文内容を結び付けられます。

一方、Herman Miller AeronはA・B・Cの三サイズから先に選びます。公式仕様で示される座面奥行きはAが406mm、Bが432mm、Cが470mm。座面を前後へ滑らせる代わりに、サイズそのものを体格へ合わせる考え方です。

候補 体への合わせ方 試座で先に触る場所 注文前に揃える情報
オカムラ Sylphy 一体サイズの座面高・奥行き・背カーブを動かす 座面奥行き、背カーブ、肘 肘、背、張り材を含む型番
イトーキ Act2 背・座・肘の構成と調整を組み合わせる 座面、肘、背の動き 展示品と購入構成の差
Herman Miller Aeron A・B・Cから体格に近いサイズを先に選ぶ サイズごとの座面奥行きと肘 サイズ、チルト、アーム構成

表の機能数だけでは座り心地は決まりません。大事なのは、調整したあとに三点が一緒に収まるかです。

同じ姿勢を三脚で作ってみましょう

候補ごとに座り方を変えると、どの違いが効いたのか分からなくなります。店では、いつも使う机の高さを伝え、同じ順番で合わせます。

  1. 1. 足を置く

    靴を履いた状態で、足裏と座面高を合わせます。

  2. 2. 膝裏を見る

    深く座り、座面の縁との余白を確かめます。

  3. 3. 肘を置く

    肩が上がらず、天板へ近づける位置を探します。

  4. 4. 操作を戻す

    一度立ち、もう一度同じ位置へ戻せるか試します。

一脚ごとに同じ順番で合わせると、柔らかさ以外の違いを比べやすくなります。

普段よく行う作業も持ち込みます。キーボードへ両手を置く、マウスを動かす、ノートへ書く。背もたれを倒した瞬間より、いつもの作業へ戻ったときの肘と足を見ます。

10分で触るレバーを、先に決めておきましょう

試座時間が短くても、見る場所を決めておけば候補を絞れます。

  • 座面を最低まで下げ、足裏が置けるか
  • 深く座ったとき、膝裏が座面へ押されないか
  • 肘掛けを机の下へ入れられるか
  • 背の反力を自分で変え、元へ戻せるか
  • 展示品と注文構成が同じか

最後まで迷ったら、その日に決めず、二脚の型番と調整位置をメモして帰ります。椅子は机の高さと一緒に使う道具です。デスク環境全体の見直し方机の奥行き・幅の測り方を先に済ませておくと、試座で合わせたい位置がはっきりします。