鍋を揃えるときは、セットの点数より、よく作る料理を「焼く」「煮る」「蒸す」「揚げる」に分けてみると話が早くなります。ひとつの器へ重ねられる仕事が見えれば、五つも六つも買わずに済むからです。
出発点は、広い面で焼くフライパンと、汁物や茹でものを受け持つ蓋付きの片手鍋。そこへ深さ、蒸す場所、油の扱いを必要に応じて足していきます。
最初の二つは、焼く一枚と煮る一鍋
26cm前後のフライパンと、16〜18cmの片手鍋。この二つなら、焼く・炒める仕事と、汁物・茹でもの・少量を煮る仕事を分けられます。農林水産省の自炊入門資料でも、26cmの加工フライパンと15cm・18cmの鍋を道具の一例として挙げています。
卵や少量の副菜が中心なら小さいフライパンを選ぶ余地があり、大きな魚や肉を一度に焼くなら26cmの面が生きます。片手鍋も、軽さを取りたいなら16cm、容量に余裕がほしいなら18cmへ。まず二つの役割を分け、口径は作るものに合わせます。
汁気のある一皿が、三つ目を決めます
カレーや煮込みをまとまった量で作る、麺をたっぷりの湯で茹でる。そんな料理が増えると、小さな片手鍋だけでは深さと容量が足りなくなります。三つ目に考えたいのは、蓋付きの深鍋か、焼いたあとに煮込める深型フライパンです。
焼く面と煮る深さを一つへ重ねたいなら、深型フライパンやソテーパン。汁物と茹でものを同時に進めたいなら、片手鍋とは別に両手鍋を置く方が使いやすくなります。ここでは「何個あるか」より、同じ時間に二つの鍋を使う料理があるかが分かれ目です。
蒸す場所は、手持ちのフライパンにも作れます
蒸し料理を試すなら、まずは手持ちの鍋へ載せる道具から始められます。ヨシカワの蒸しプレートのように、対応する20〜22cmのフライパンへ載せる道具なら、下の器を手持ちと共用できます。
せいろは木の香りと佇まいが魅力ですが、蓋、受け台、乾かす場所まで含めて一組です。ステンレスのプレートは洗いやすく、専用の蒸し鍋は段を重ねやすい。蒸す頻度が上がってから、手持ちへ載せる形から専用器へ進んでも遅くありません。
揚げ物鍋を足すのは、油の扱いを分けたいとき
揚げ物は、鍋の深さだけでなく、材質、適正油量、使える熱源まで一緒に見ます。深い手持ち鍋を使う場合も、鍋とコンロの説明書で揚げ物への対応を確認します。
和平フレイズのRB-2699は、約24×14cm、約400g、満水1.9Lの細長い角型です。少ない本数の串や長い食材を並べやすく、揚げ物の油を普段の煮物鍋から分けたいときに、専用品を足す理由ができます。公表されているのは満水容量なので、実際の油量は製品説明と熱源の指定に従います。
作る料理から、残す形を選ぶ
| 料理の仕事 | 二つの基本道具で受け持つ形 | 道具を足す目安 |
|---|---|---|
| 焼く・炒める | 26cm前後のフライパン | 小さい面や深さが別に必要になったとき |
| 汁物・茹でもの | 16〜18cmの蓋付き片手鍋 | 同時に二鍋を使う、または容量が足りないとき |
| 煮込み | 深型フライパンで共用するか、深鍋を足す | 焼く仕事と同時に使うか、蓋と容量を分けたいとき |
| 蒸す | 対応する鍋へプレートやせいろを載せる | 段数、径、乾かし方を専用に整えたいとき |
| 揚げる | 対応する深鍋を使う | 適正油量や油の保管・手入れをほかの鍋から分けたいとき |
二つで始めるなら、フライパンと片手鍋。三つ目は深型または大きな鍋、四つ目は蒸すか揚げる仕事のうち、手持ちと共用しにくい方へ使います。蒸しプレートをフライパンへ載せられるなら、専用鍋を増やさず四つの仕事を受け持つこともできます。
すでに道具があるなら、いま作れない料理より、同じ時間に使えない仕事を探します。三つ目以降は、その不足が見つかったときに選ぶと、道具の数と役割がきれいに揃います。
最初の一枚はフッ素加工・鉄・ステンレスの26cmフライパン比較、片手鍋は16cmと18cmの容量・重量比較へ。専用道具を足すなら、せいろ・プレート・蒸し器と角型・丸型の揚げ物鍋を、それぞれ使う場面から選べます。