フライパンと片手鍋があれば足りる日も、もう一つ空いた鍋が欲しくなる日もあります。その違いは、作る品数よりどの作業を同時に進めたいかにあります。
まずは焼くフライパンと、汁物や茹でものを受け持つ蓋付きの鍋を出発点に。よく作る献立を一つ思い浮かべると、三つ目が必要なのか、深さを替えたいのかを分けられます。
最初の二つは、焼く一枚と煮る一鍋
一例は26cm前後のフライパンと、16〜18cmの片手鍋。焼く・炒める仕事と、汁物・茹でもの・少量を煮る仕事を分ける組み合わせです。農林水産省の自炊入門資料も、26cmの加工フライパンと15cm・18cmの鍋を道具の例として挙げています。どの家庭にも二つが最適、という調査結果ではありません。
卵や少量の副菜が中心なら小さいフライパンを選ぶ余地があり、大きな魚や肉を一度に焼くなら26cmの面が生きます。片手鍋も、軽さを取りたいなら16cm、容量に余裕がほしいなら18cmへ。まず二つの役割を分け、口径は作るものに合わせます。
三つ目が要るのは、どんな献立の日?
次の表は、作業が重なる場合を考えるための編集部の例です。特定の径で何人分作れるか、何分で仕上がるかを試したレシピではありません。実際の量が入ること、使う熱源と器具が対応していることを前提にしています。
| 作りたい組み合わせ | 同時に使う器具の例 | 買い足す前の選択肢 |
|---|---|---|
| 焼く主菜+汁物 | フライパンと鍋の2つ | 手持ちで量が収まれば、そのまま |
| パスタを茹でる+ソースを温める | 茹で鍋とソース用の器具の2つ | ソース用に手持ちのフライパンも使える |
| 焼く主菜+汁物+別に茹でる野菜 | 全部を重ねるなら3つ | 野菜を先に茹で、空いた鍋を使うなら数を抑えられる |
| フライパンで蒸す+別の主菜を焼く | 蒸す器具と焼く器具 | 蒸してから焼く順なら兼用できる。並行するなら別の器が要る |
一品ずつは作れるのに夕食の直前だけ器具が足りなくなるなら、問題は容量より作業の重なりかもしれません。順番を変えても残したい同時作業があるとき、その役割の一つを足します。
汁気のある一皿が、三つ目を決めます
カレーや煮込みをまとまった量で作る、麺をたっぷりの湯で茹でる。そんな料理が増えると、小さな片手鍋だけでは深さと容量が足りなくなります。三つ目に考えたいのは、蓋付きの深鍋か、焼いたあとに煮込める深型フライパンです。
焼く面と煮るための深さを一つの鍋に求めるなら、深型フライパンやソテーパン。汁物と茹でものを同時に進めたいなら、片手鍋とは別に両手鍋を置く方が使いやすくなります。ここでは「何個あるか」より、同じ時間に二つの鍋を使う料理があるかが分かれ目です。
蒸す場所は、手持ちのフライパンにも作れます
蒸し料理を試すなら、まずは手持ちの鍋へ載せる道具から始められます。ヨシカワの蒸しプレートのように、対応する20〜22cmのフライパンへ載せる道具なら、下の器を手持ちと共用できます。
この20〜22cm用が、冒頭の例の26cmフライパンでも使えるかは、この資料では確認できません。手持ちの径に対応する型番を適合表から選びます。また、プレートを足しても下のフライパンは蒸している間ふさがるので、同時に焼く仕事まで一枚で受け持てるわけではありません。付属具の数と、同時に使える鍋の数は別です。
せいろは木の香りと佇まいが魅力ですが、蓋、受け台、乾かす場所まで含めて一組です。ステンレスのプレートは洗いやすく、専用の蒸し鍋は段を重ねやすい。蒸す頻度が上がってから、手持ちへ載せる形から専用器へ進んでも遅くありません。
揚げ物鍋を足すのは、油の扱いを分けたいとき
揚げ物は、鍋の深さだけでなく、材質、適正油量、使える熱源まで一緒に見ます。深い手持ち鍋を使う場合も、鍋とコンロの説明書で揚げ物への対応を確認します。
和平フレイズのRB-2699は、約24×14cm、約400g、満水1.9Lの細長い角型です。少ない本数の串や長い食材を並べやすく、揚げ物の油を普段の煮物鍋から分けたいときに、専用品を足す理由ができます。公表されているのは満水容量なので、実際の油量は製品説明と熱源の指定に従います。
作る料理から、残す形を選ぶ
| 料理の仕事 | 二つの基本道具で受け持つ形 | 道具を足す目安 |
|---|---|---|
| 焼く・炒める | 26cm前後のフライパン | 小さい面や深さが別に必要になったとき |
| 汁物・茹でもの | 16〜18cmの蓋付き片手鍋 | 同時に二鍋を使う、または容量が足りないとき |
| 煮込み | 深型フライパンで共用するか、深鍋を足す | 焼く仕事と同時に使うか、蓋と容量を分けたいとき |
| 蒸す | 対応する鍋へプレートやせいろを載せる | 段数、径、乾かし方を専用に整えたいとき |
| 揚げる | 対応する深鍋を使う | 適正油量や油の保管・手入れをほかの鍋から分けたいとき |
フライパンと片手鍋で量も同時作業も足りるなら、そこで揃え終わりです。容量だけが足りないなら、今の鍋を大きいものへ替える選択もあります。別の調理を並行したいなら一つ追加し、蒸す・揚げる仕事を分けたいなら対応する道具を選びます。人数やセットの点数から、三つ目・四つ目をあらかじめ決める必要はありません。
すでに道具があるなら、いま作れない料理より、同時に進められない調理を探します。三つ目以降は、その不足が見つかったときに選ぶと、道具の数と役割がきれいに揃います。
最初の一枚はフッ素加工・鉄・ステンレスの26cmフライパン比較、片手鍋は16cmと18cmの容量・重量比較へ。専用道具を足すなら、せいろ・プレート・蒸し器と角型・丸型の揚げ物鍋を、それぞれ使う場面から選べます。